第2子の妊娠と出産 子宮内胎児死亡の予防治療とその結果

第2子の妊娠

2008年、第2子の妊娠が分かりました。第1子を子宮内胎児死亡で亡くしてから10か月が経ったころです。甲状腺機能・多発性筋炎ともに安定していました。

服用中の薬

朝:ロカルトロール1・セルベックス1・プレドニン8mg

妊娠が分かってすぐに、胎児への影響を避けるためロカルトロールとセルベックスは中止に。ここからはプレドニン8mgのみとなります。

甲状腺疾患検査と不育症検査

結果:甲状腺機能は正常だが、抗甲状腺抗体が陽性の為、今後以上に転ずることがあります。出産後3~6か月で再度検査すること。
不育症検査(抗リン脂質抗体セット):正常

今回もまた、妊娠が分かったと同時に不育症の検査を行いました。結果、やはり前回同様「正常」でした。しかし、前回第1子は、子宮内胎児死亡で9か月の時に亡くなりました。このことをふまえ、主治医とともに話し合い、今回の妊娠・出産を次のようにしました。

  1. 予防的に抗凝固療法を行う
    不育症の検査では正常だけれども、結果として死産となってしまった。原因は胎盤の80%が梗塞状態だったということだ。とにかくこれを防ぐため、抗凝固療法を予防的に行おうという試み。これをしたところで結果としてどうなるかは分からない。けれども出来ることはすべてやりたいという私の思いもあり、まずは血栓予防のため、「バイアスピリン」の服用を開始(31週まで)することとした。また、張り止めの「ウテメリン錠」も張りを感じたときにすぐに服用するようにした。また、血栓予防の「ヘパリン」自己注射は、負担が大きいため今回は33週から行うこととした。
    ・33週から入院し、37週0日で出産
    第1子は34週で突然の死産となったため、33週から入院し「ヘパリン」を開始。経過観察を十分に行い、胎盤梗塞の危険と赤ちゃんの安全を考慮し、赤ちゃんがもう生まれても問題のない成長段階となる正期産に入る37週0日に出産を予定。前日に子宮口を開く処置をし、当日の午前9時より陣痛促進剤により陣痛を起こし、普通分娩。
  2. おりものなどが多いなど心配な場合は、絨毛膜の培養検査を行う。
  3. 出来るだけ安静を心掛け、よく休息をとること

妊娠初期の症状

順調・つわりもあまりひどくない
10週の時、茶色っぽい出血があり、緊急で病院へ行き診察をしてもらうが、胎児の状態に問題はなく、張り止めのウメテリン・止血作用の薬を処方してもらい、1週間位続いたが以後同じようなことは無かった。バイアスピリンを飲んでいることも影響しているのでは、ということだったがそれ以上は分からない。また、下腹部の張りが2週間程度続いた。

妊娠中期の症状

買い物などしているときに、突然脳貧血のようになることが何度かあった。すぐに座って安静にしていると良い。

妊娠後期の症状

・胎児の大きさは正常範囲だが小さめ。その他胎児の状態に問題視する事項は無い。
・おなかの張り・少々の痛みを感じることが多い。
・黄色っぽいおりものが出たり、おりものの量が多い時もある。→培養検査エラスターゼを行うが異常なし
・歩くと恥骨が痛む

33週で予定通り入院、ヘパリン注射を1日2回朝晩太ももに行っていたが、張りが多くなってしまい、張り止めの点滴へ変更。赤ちゃんは問題なく元気でとてもよく動いているが推定体重が小さめ。34週で推定1900g。痛みが無いとなかなかお腹の張りに気づくことが出来なかったが、寝ている姿勢でお腹を触ったときに、お腹全体が固くなっていて赤ちゃんの形が分かるようなときは張っている状態だという。35週のエコーでは、推定2100g。やはり小さめであるが前回と比べ成長しているので問題ないとする。胎盤の状態は石灰化週数相当。胎盤の厚みは少し厚め。胎盤機能が低下していることを表しているが、緊急性のある程度のものではない。子宮動脈の血流も問題ない。こういった結果から見て、予防的にバイアスピリンを32週まで、33週からヘパリンを使ったことは正しいと言える。何も予防をしなかったらと考えると恐ろしい。

出産当日、朝9時ごろから陣痛促進剤を始め、子宮口が8cmまで開くのに夕方ごろまでかかった。その後全開になってから分娩室に入り4分後には無事赤ちゃんの産声を聞くことができた。

赤ちゃんの状態

37週0日。普通分娩。9時間14分。出血量は少量。産後3日目には母乳の分泌があり良好。赤ちゃんの哺乳力も問題なし。先天性検査などその他の異常もなし。
女の子 体重2305g 身長45.5cm 胸囲28.5cm 頭囲30.5cm

退院時体重2210g 完全母乳。

病理組織診断報告書

病理組織診断報告より

胎盤は378g、160×160×28mmで週齢に比し小型。胎児面に30×25×5mm大の薄い壁からなる嚢胞性病変を認める。割面では、最大20×20mmの大の黄白色の梗塞巣が全体に多発して認められた。臍帯は420mm長で、ほぼ正中に付着し結節は見られない。胎児膜の混濁は見られない。胎盤の厚みは週齢に比しやや厚い。
広い範囲に絨毛間フィブリン析出を伴う梗塞巣が認められる。一部では絨毛間血種の形成も伴う。
羊膜下にフィブリン様無構造物の滲出物を貯留した嚢胞状病変を認める。
全体に梗塞の強い胎盤で、約30%近くは絨毛の機能は失われていると考えます。重量も週齢に比し軽く、何らかの循環障害性変化が加わっていると考えられる。

今回も前回同様、出産後胎盤の病理検査を依頼した。結果やはり胎盤梗塞状態であったことは前回同様だが、梗塞範囲を前回の約80%から今回約30%へ抑えることができた。このような事から、抗凝固療法を予防的に行い、必要以上に動かないように、細菌に注意することなど、色々な面で気を使ってきたにもかかわらず、前回と同様にやはり胎盤の状態が悪くなったりお腹の張りが多いなどの点があったことから、原因は特定できずともそういった体質であるということが分かる。

その後の成長記録

生後1か月3260g→生後2か月5094g→生後5か月6450g→生後7か月7000g→生後10か月7585g→生後12か月8280g→1歳6か月9595g→3歳14kg
首のすわり:3か月 おすわり:6か月 はいはい・つかまり立ち:7か月 一人歩き:11か月 歯の生え始め:9.5か月 離乳:1歳6か月

おわりに

離乳完了後、ロカルトロールとセルベックスを再開。

なお、小児科の先生より、私に甲状腺機能の既往があるため、子供が中学生以上になるころから、甲状腺機能の変化を少し気にするようにして、何か異変を感じるときには早めに対処できるよう受診するように言われました。甲状腺機能の抗体、いわゆるタネのようなものは遺伝する為、それがあると必ず発症するわけではないが、条件が揃えば発症しやすい体質にあるということなので、注意してあげたいものです。私の家族の病歴を見ても、バセドウ病は母と兄も発症しています。私は20歳のとき、兄は30歳、母は49歳と発症時期は様々ですが、ストレスを抱えやすいなど性格や生活習慣なども似ているとやはり発症しやすいのだと思います。

  • B!