再燃の兆候からバセドウ病の再燃へ
私の甲状腺機能は、多発性筋炎発症でプレドニンを飲み始めて以降、15年の間それほど大きく揺らぐこともなく安定していました。しかし2020年、ちょうど新型コロナウィルスの感染拡大を阻止するため、学校が一斉に休校となったころのことです。なんだかだるい日々が続いていました。疲労感が強く、少しのことですぐ疲れてしまうような感覚。動悸と手足の震えも少し感じていました。ですが、このような症状は排卵前や生理前にも出ることが多いので、またかと思っていたくらいで、バセドウ病の再燃は全く疑っていませんでした。けれども症状は全く改善することなく、どんどんひどくなっていきました。もしかしたら更年期かな…と思いはじめ、出来るだけ休息するようにしていましたが、そのうち症状は更に悪化していき、子供と一緒にトランプをすることさえも辛いくらいでした。トランプを支えていることすら負担になるくらいの倦怠感です。そしてそれほどの辛さを感じる時には決まって、動悸がかなりひどい状態でおそらく120/1分くらいの頻脈になっていた気がします。また、それくらいの頻脈になると37.8くらいの発熱も同時に起こり、脈が落ち着くと発熱もおさまるといった感じでした。
その後、多発性筋炎の定期検査で甲状腺機能亢進を認め、再燃したことが分かりました。再燃が分かって落ち着いてみると、何故気付かなかったのだろうかと思ってしまいますが、もともとPMSなどで生理前に似た症状が出やすかったり、じわりじわりと悪化していくため、緊急性を感じず、そのうち落ち着くだろうとか、更年期かなとか判断を間違えてしまいました。しかしながら、再燃発覚時は、頻脈で心不全を起こす危険もある状態と指摘されたわけですから、やはり横になっていても辛いような症状は、放っておいてはいけませんね。
バセドウ病の再燃
2019年頃から甲状腺機能が正常値であるにも関わらず生理周期に影響して更年期のような症状に悩まされ、ひどい時には車の運転が出来ないくらいの眠気に悩む日もありました。今思えば、数値には出ていないものの、甲状腺機能の状態が不安定な状態に傾き始めていたのかもしれません。何だか排卵と生理の前後で体調がほんとに悪いなぁ…という状態が半年くらい続いたのち、2020年3月、ついに自分が更年期になってしまったのではないかと思うような状態が毎日続くようになりました。排卵や生理関係なく、とにかくだるいのです。きちんと睡眠をとっても眠気がとれず、少し活動しただけで疲れてしまい、ひどい時には子供とトランプをすることすら辛くて起きていられず、横になって寝そべりながら相手をしていたほどです。
- 頻脈で動悸がひどい
- 動悸がひどい時、発熱がある
- 手足のふるえがひどい
- 疲労感と倦怠感がひどく、すぐに寝てしまう
- 少し活動すると暑くなる
このような症状が出ているにも関わらず、私はこの時甲状腺のことを全く気にしていませんでした。甲状腺はもう15年前から安定していて、今更どうにかなるとは思っていなかったからです。だからといって多発性筋炎の症状とはちょっと違っていたので、ちょうどその頃、新型コロナウイルスの影響で学校が休校になっていた頃でしたので、コロナ感染か更年期かと疑っていましたが、発熱症状が動悸が起きたときだけという点、風邪症状は全くない状態だったので、やはり更年期か…と。けれども上に書き出した症状を冷静に見れば、これって完全にバセドウ病の症状ですよね。もちろん更年期の症状ともいえるかと思いますが、バセドウ病の再燃を疑えばすぐに思い当たるはずでした。また、後からデータを見ていて少し気づいたことは、甲状腺機能の状態も生理周期に伴って変化するようで、数値で見たときに異常値になっていることは多々あります。けれどもその度合いがさほど大きなものでなければ治療には至りません。何もしなくてもまた別の時期なら正常値なのです。そして、甲状腺機能の少々の異常とともに肝機能の数値にも異常が出ていることが多いです。これもその度合いが大きなものでなければ問題なくまた正常化していくようですが、今回バセドウ病が再燃する前の検査結果は、甲状腺機能の方はさほどの異常値はないものの、肝機能の数値が結構異常値を示していました。肝機能の数値・甲状腺の数値・CK値は少しタイムラグがあるのではと思っているのですが、いづれにしても、この辺の数値が明らかに異常値を示していた場合、良くない状態になると考えられます。
2020年4月、多発性筋炎の定期検査で病院に行き、その結果、肝臓の数値や甲状腺の数値が異常値に。緊急で甲状腺の治療を開始する必要があるということで専門医の診断を待つことに。その間、急速に体調が悪くなり、動悸もひどくなりはじめました。その時の脈拍は130弱で、心不全の不安すらよぎるほど。もう座っていることもつらい状態で、熱も出てきました。発熱はコロナを疑う時期ですので、緊急で肺のレントゲンを撮り、異常がないことを確認し、特別にベットで専門医を待たせていただきました。その後少しばかり眠ってしまい、目が覚めると動悸がだいぶ治まってきている状態で、少し動けるようになりました。ほどなくして専門医より「バセドウ病の再燃」と診断され、プレドニンを飲んでいるにもかかわらずここまでひどいとはかなり良くない状態ですねと。入院をしてもいいくらいですが、コロナの感染も怖いので自宅で絶対安静をしましょうということになる。その後帰宅の手段も心配されたが、すぐに処方していただいた薬をのみ、動悸の薬の効き目が早かったため、何とか無事に帰宅することができました。
その時の採血結果4/9
AST 49 通常13~30
ALT 77 通常7~23
この2項目は肝細胞の障害の程度をみる数値です。
普通ならALTよりもASTの方が高いのですが、ALTの方が高いのは肝障害を起こしていると考えられます。
LD(乳酸脱水素酵素) 238 通常124~222
肝臓に異常・その他臓器障害や悪性腫瘍がある可能性があるかどうかをチェックするための検査。激しい運動によっても上昇。
γ-GTP 171 通常9~32
肝臓、腎臓、膵臓などの組織に障害が起きているかをみます。
TP 6.3 通常6.6~8.1
Alb 3.6 通常4.1~5.1
この2項目は肝臓に障害が起こると減少する。
CK 262 通常41~153
筋肉の細胞が壊れている程度をみます。激しい運動によっても上昇。多発性筋炎の治療にもCK値を使います。
TSH 0.01 通常0.34~4.04
FT3 17.11 通常2.36~5
FT4 6.64 通常0.88~1.67
これら3項目は甲状腺機能の状態をみる数値です。亢進時はTSHが減少・FT3とFT4が増加。低下時はTSHが増加・FT3とFT4が減少。
診断
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)。プレドニンはメルカゾールやプロパジールに追加して使用されることもある。プレドニンを飲んでいる状態で、この数値は甲状腺機能がかなり悪い状態にあるといえる。肝障害に伴う数値の異常はおそらく甲状腺機能が異常化していることによるものと考えられるため、甲状腺機能が正常化していくことでそれにともなって正常数値になるとみている。当面は2週間おきに受診。
投薬
甲状腺機能の亢進を抑えるため、プロパジールとヨウ化カリウムを服用。プロパジールの副作用で数日間かゆみが出てくると思われるため、かゆみどめとしてフェキソフェナジンを服用。また、頻脈による動悸を抑えるため、プロプラノロールを服用。
- プロパジール1回2錠×1日3回
- ヨウ化カリウム1丸
- プロプラノロール塩酸塩錠1回1錠×1日3回
- フェキソフェナジン塩酸塩錠1回1錠×1日2回
- プレドニン8ミリ
- リセドロン1回1錠 日曜日のみ 骨粗しょう症予防(プレドニン長期服用の副作用予防の為)
- エディロールカプセル1 骨粗しょう症予防(プレドニン長期服用の副作用予防の為)
- ファモチジンD錠1 胃を守る薬(プレドニン長期服用の副作用予防の為)