バルトリン腺膿瘍

生理周期に伴って繰り返すバルトリン腺膿瘍

生理周期に伴って繰り返すバルトリン腺膿瘍

この記事は、私の長年の悩みであるバルトリン腺膿瘍との闘いについて書いています。

バルトリン腺膿瘍とは

バルトリン腺という外陰部に分泌液を出す腺があり、その腺が何らかの理由で閉鎖してしまい、袋状に腫れてしまうのが、バルトリン腺のう胞といいます。さらに炎症を起こして膿がたまってしまうと強い痛みが生じ、これをバルトリン腺膿瘍と言います。疲れがたまっていたり、免疫力が低下すると起こりやすいと言われており、体力が低下しているとき、妊娠中に発症してしまうケースも多いようです。

初めての発症は小学生のころ

私が初めてバルトリン腺膿瘍になったのは初潮を迎えた小学6年生のころ。もうずいぶん前の事なので記憶があいまいですが、日に日に外陰部の一部が膨らんできて痛みを生じ、歩くことも困難なほどの痛みになりました。そうなる数日前には母親に話すと、「おできができちゃったんじゃない?」と言われて見てもらったのですが、見ると「これおできじゃないね…」って母親も良く分からず、とりあえず皮膚科に行きました。すると、これは「婦人科に行った方がいい」と言われ、小6にして初めて婦人科に行きました。婦人科で見てもらうと、すぐに「バルトリン腺膿瘍」だと診断されました。この状態だと通常なら針を刺して膿を出す処置をするのですが、私が小学生だったからでしょうか、「自然に膿が出て治るだろうから」と特別な処置はせずに、軟膏をもらって帰りました。それから軟膏を塗ってひたすら寝ること1日、翌日には大量の膿が排出され、あっという間に痛みから解放されていきました。初めに違和感を感じ始めてから一週間位だったかと思います。もうこんな痛みは二度と味わいたくないと思うくらいでしたが、残念ながらその後も何度も繰り返し、これは私のバルトリン腺膿瘍との闘いの始まりに過ぎなかったのです。

バルトリン腺膿瘍は繰り返す

始めは1年に1~2回程度、20歳頃までは1年に2~3回程度バルトリン腺膿瘍になっていました。やはりいづれも生理周期に伴うような感じで大体生理の1週間くらい前になることが多かったかと思います。初めのうちは同じ場所になっていましたが、そのうち反対側になることもあったり、同じ側でもいつもと微妙に位置が違う場所になることもありました。ですが共通して言えるのは、いつも膨らむ個所は1か所ということですね。複数個所が同時に膨らむということはありません。何度か婦人科に行きましたが、私の場合20歳頃までは特に何も処置をされることはありませんでした。そこの先生はもうおじいちゃん先生という感じでベテランの先生でしたが、「これは自然に膿が出て治るから、安静にできる環境があるなら、出産前の体にわざわざ処置しない方がいい」と言っていつも軟膏をもらうくらいでした。なので学生時代は膿が排出される日とその前日くらいは凄く痛いので、学校を休んでいましたね。毎回自然治癒です。回数を重ねるうちに、色々と考えて試してみたりしましたが、軟膏を塗るとすぐに膿が排出されて治るとか、お湯で温めると治るとか、はっきりいってそんなことは無いですね。どれも即効性は無いです。痛みが少し緩和されたり、完治までの日数を多少短縮させる位のものだと思います。私の場合、20代のうちは違和感を感じてから1週間くらいで膿が排出されて治る、というのが毎回同じだったかと思います。そのうち仕事をするようになると、バルトリン腺膿瘍になったからといって休んでもいられません。そのため、この頃から婦人科に行くと、針で刺して膿を抜く処置をされるようになりました。毎回検査をしてもらいましたが、いつも常在菌に感染しているような状況だったので、不摂生などで免疫力が低下していたのだと思います。何度も繰り返していると、バルトリン膿瘍部分の皮膚を切除し、内部とつながるようにする小手術である開窓術(造袋術)など医師から勧められることもありましたが、「袋が多数ありそうだからちょっと手術は無理かもね」と私の場合、手術は難しいタイプのようでした。場所が場所なだけに失敗などあっても怖いので、その後も私は手術を受けることはしませんでした。ちなみに針で刺して膿を抜く1回の処置でかかるのは5000円程度です。針で刺す処置をする時は、あらかじめ少し麻酔をしてくれるのですが、その麻酔の注射も痛いし、最後に膿を出し切るために医師がかなり患部を押すのでそれがものすごくものすごく痛いです。もう二度と来るもんかと思うくらいです。ですが、処置が終わると嘘のように痛みから解放されて通常通り生活できるので、安静にしていられないし、大事な用事があるというときは、やはりやらざるを得ませんよね…。中には、この処置をした数日後にはすぐに再発してしまう人もいるそうですが、私はそういったことはありません。決まって生理1週間前くらいになると…というのが常です。おそらくこの膿を出す時に出来るだけ綺麗に出し切ることが重要なのだと思います。自然に膿が排出されるいわゆる自壊した時というのは、変な言い方なんですがバルトリン腺膿瘍が完全に成熟してもう無理…ってところで噴火するように膿が一気にどばっと排出されるので、ある意味膿の出方がおしみなく勝手に出て行ってくれる感じなんです。でも、針で刺して膿を出す場合、本来まだまだ膿を成長させるぞと思っていたバルトリン腺膿瘍が無理に穴を開けられて出されていく感じなので、いさぎよくないというか少し膿が残っていたらそこからまた成長させるぞとバルトリン腺膿瘍が動き出しやすいようなそんなイメージ。なので針で刺して膿を出す処置をした時の方が、膿を出し切って抗生剤でしっかり菌をやっつける必要があるんだと思います。

妊娠中のバルトリン腺膿瘍

それまで1年に2~3回程度発症していたバルトリン腺膿瘍。妊娠の1年前くらいの期間はさらにバルトリン腺膿瘍になる回数が増え、2か月に1回はなるような状態でした。この頃にはもうまたか…という慣れさえもありました。以前は違和感を感じてから1週間位で自壊していたのが、この頃には5日で自壊するような感じになっていました。おそらく、皮膚が薄くなっていくというか、自壊も繰り返すとしやすくなるということなんでしょう。妊娠が判明する少し前にもバルトリン腺膿瘍になり5日で自壊しましたが、そのことを産婦人科の先生に話すと、「自壊したなら問題ないね。何もしなくて大丈夫。」ということでした。その後なぜかその第1子・第2子を妊娠出産していた時期の2年くらいはバルトリン腺膿瘍に1度もなりませんでした。この時私は、私の場合妊娠中はバルトリン腺膿瘍にならないんだと勘違いしていましたが、第3子の時は普通になったんです。妊娠中に3回くらいは発症したと思います。免疫力の低下・体力の低下が原因で菌に感染してしまうことがほとんどのようですから、妊娠中になる方も多いようですが、私の場合逆になぜ第1子と第2子の妊娠の時にバルトリン腺膿瘍に一度もならなかったのか…ちょっと考えて思いつくのは、生活習慣くらいですかね。第3子の時は同じ妊娠中でもなかなか安静を保つことは出来ず結構疲労していたと思います。寝不足も。ですが第1子と第2子の時は明らかに安静第一で過ごしていたと思います。食べ物も脂っこいもの・おやつ大好きなんですが出来るだけ気を使ってバランスよく食事にも気を付けていましたし、何より寝不足することがありませんでした。やはりこういったことは大きな要因になるのでしょうか…。しかしながら、妊娠中にバルトリン腺膿瘍に3回くらいなりましたから、その都度痛みももちろん嫌でしたが、それ以上にやはりどこかで「赤ちゃんに悪影響がないかな…」と心配になりました。妊婦検診で待合室で待っている間に自壊するなんてこともありました。ですが先生曰く、「出産の時に治っていれば全く問題ないよ」とのこと。「ほんとだ、ちょうど自壊したところだね。少し残ってる膿出しちゃうね」と言って手で押して膿を出し、綺麗に洗浄をして終了でした。

バルトリン腺膿瘍の自壊

バルトリン膿瘍歴も15年くらいになると、もう違和感を感じてから大きくなるまでも早く、3日めくらいには自壊するようになりました。やはり年齢とともに皮膚も弱くなり薄くなっていくのでしょうか、あるいは自壊を繰り返していることでどんどん自壊しやすくなっていくのでしょうか。痛みは健在ですが、大きさも若い時と比較すると多少大きくならなくなっているような気がします。とにかく1日目「あれ、何か違和感…」と思い始め、2日目にはだいぶ膨らんで痛みだし、3日目の夜には痛みがMAXって感じで、朝方あたりで自壊というパターンです。最近はもう毎回これなんで、「何日には自壊するな」と予定が立つくらいです。以前は「やばいな…痛み始めた…」と思ったらトイレに行くたびに軟膏をぬったり消炎剤をぬったり色々やりましたが、結局は治りません。逆に大きくなるのが少しだけ長引いてバルトリン腺膿瘍との闘いが長引くだけでした。なので私の場合最近はもう発症してしまったらあきらめて痛みMAXになる3日目の夜寝る前に患部に軟膏をぬって寝ます。その後自壊を待つのみです。

自壊までのその他の工夫

  1. 痛みがひどくなってきたらロキソニンを服用
  2. お風呂の時によく患部を温める・熱めのお湯で患部にシャワー
  3. 痛みMAXになってきたら、患部をつぶす・押すような姿勢やおまたを広げる・患部を延ばすような姿勢を心掛ける

最近の私の場合は後者の「おまたを広げる・患部を延ばすような姿勢」の方が効果的。痛みがひどくなってくるとおまたを広げたくなくなってくるのですが、そこをなんとかあえて患部を延ばすと、皮膚が伸びて膿の排出が促されるような感じです。もういつ自壊してもおかしくないってくらいの時は、お風呂やトイレに行ったときは特にこれを意識してやってみるとその瞬間に自壊することが多いです。

自壊したら

私の場合、自壊後はいつも以下のようにしています。産科での待合室で自壊した時、処置室でもやはり「残った膿の排出」→「膣洗浄」を行って終わりだったので、それを参考にしています。穴がふさがるまで菌が入りやすいので洗浄綿などで清潔にっていうのもその時先生から言われたことです。

  1. 膿が排出された穴から、出来る限り残っている膿を押し出す。
    穴の周囲を押すことで物凄い出てきます…私の場合は最後の方は血液が出て終わりって感じですね。その時点で完全に膨らみが無くなるわけではなく、少し残ります。ですがあとは自然に体内に吸収されていき、2.3日で治ります。
  2. 膿の排出により、患部が汚れているため、洗浄綿などで患部を拭き取り清潔にする。出来れば、シャワーで患部を洗い流して清潔にしておく。
  3. 膣洗浄をする。


  4. 患部を清潔にする。
    翌日くらいまで、穴から菌が入らないように、トイレの際に殺菌消炎剤などのローションをコットンに含ませて使ったり、洗浄綿で拭いたりして注意する。穴がふさがればもう大丈夫です。

→ バルトリン腺膿瘍、ついに行きついた予防法とは
→ バルトリン腺が腫れてきた、痛みだした時の治し方

おわりに

バルトリン腺膿瘍ってほんとに辛いです。痛いですよね。私も長年これには悩まされてきていますから、意味のないようなことまで色々試したり、たくさんネットで検索したりもしました。本当に藁にもすがる思いですよね。漢方療法・穿刺して排膿・開窓術(造袋術)などの手術による治療法についての記事はよく見かけますが、それ以外の情報が得られる記事はあまり見かけません。なのでこの記事が少しでもそんな方々の参考になればと願っています。ただし、あくまで私の個人的意見なのでその旨ご理解いただければと思います。

  • この記事を書いた人

omima

20歳でバセドウ病発症。24歳で膠原病の多発性筋炎を発症。その後の入院・検査内容・病状・薬・妊娠・出産についてなど15年以上にわたる全てを公開。発症した時の病状のつらさ、これからどうなっていくのだろうという不安、ハイリスク妊娠と出産、さまざまな思いで見てくださる方の、何らかのきっかけや支えになることを願ってこのブログを運営しています。そしてなお、「私には病気を治す力がある!」と日々頑張っているおばさんです。 その他の運営サイト:チラシデザインのコツと作り方

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